競輪では、まれにいわゆる「同着」、つまり複数の選手が同じ順位になることがあります。

重勝式では、払戻金の計算が複雑になります。
一番複雑なDokanto!4twoで同着が発生した場合でご説明します。

例：前回からのキャリーオーバーが100万円、当日の発売が50口（1万円）合計101万円の売上で、最終レース（12レース）で2着が同着となった場合。

  9Rの結果：（1着＝2着）1番車＝3番車
10Rの結果：（1着＝2着）2番車＝3番車
11Rの結果：（1着＝2着）5番車＝7番車
12Rの結果：（1着＝2着）3番車＝6番車
　　　　　　　　　　　　3番車＝9番車

この場合、あたり組数は
「1＝3＞2＝3＞5＝7＞3＝6」（当選組番Aとします。）
「1＝3＞2＝3＞5＝7＞3＝9」（当選組番Bとします。）
以上の2組が「的中」となります。
「1＝3＞2＝3＞5＝7＞3＝6」（当選組番A）に2口的中、
「1＝3＞2＝3＞5＝7＞3＝9」（当選組番B）に1口的中があったとします。

まず、それぞれの組番に対して、キャリーオーバー額とその開催日の売上額の総額（101万）が下記の算式によって総払戻金額として割り振られます。

算式（自転車競技法施行規則による）
（W+D/P）×R＋A/P=T
W：当該勝者に対する総券面金額とする。
D：出走した選手であって勝者以外のものに対する車券の総券面金額とする。
A：法第13条第1項及び第2項に規定する加算金とする。Pは勝者の数とする。
R：法第12条第1項の規定により100分の75以上経済産業大臣が定める率以下の範囲内で競輪施行者が定める率とする。

それでは、例で上記の公式にあてはめていきます。
Wは、それぞれの的中組番の総券面金額です。
当選組番Aは、2口なので2×200円＝400円
当選組番Bは、1口なので1×200円＝200円　となります。

次にDですが、これは「ハズレ」車券の総券面金額です。
例の場合は、「アタリ」車券が600円分。発売金額が1万円なのでD＝10,000円-600円＝9,400円となります。

Pは勝者で、当選組番Aと当選組番Bの２つが勝者になるので「２」となります。
Rは、「払戻率」となり競輪の場合、75％となっています。
Aは、前回からのキャリーオーバーなので、例の場合100万円です。

以上を「当選組番A」と「当選組番B」に割り振られる総払戻総額（T）は下記のようになります

当選組番Aに対する払戻総額
T=(2×200+(50×200-3×200)÷2)×75%+1,000,000÷2=503,825円

当選組番Bに対する払戻総額
T=(1×200+(50×200-3×200)÷2)×75%+1,000,000÷2=503,675円

それでは、それぞれの組番に払戻金を計算してみます。
まず、1口＝200円の車券ですが、車券というのは10円券で構成されています。
つまり、200円の車券は10円券×20枚となります。
これは、通常賭式の車券100円も同様です。

ここで、当選組番Aの10円券あたりの払戻金額を計算します。
払戻総額は、前述の「503,825円」であり、当選組番Aは、200円券2口ですので、
全体では10円券が40枚あるということになります。
したがって、10円券1枚についての払戻額は
503,825円÷40＝12,595.625円（10円あたりの払戻額）
払戻にあたっては1円未満を切り捨てるので、
10円券あたりの払戻額は、12,595円となります。
Dokanto!4twoは、200円券面（10円券20枚）の車券なので、
当選組番Aの払戻金額は、
1口＝12,595円×20枚＝251,900円となります。

次に、当選組番Bの10円券あたりの払戻金額を計算します。
払戻総額は、前述の「503,675円」であり、当選組番Bは、200円券1口ですので、
全体では10円券が20枚あるということになります。
したがって10円券1枚あたりの払戻額は、
503,675円÷20＝25,183.75円（10円あたりの払戻額）
払戻にあたっては1円未満を切り捨てるので、
10円券あたりの払戻額は、25,183円となります。
Dokanto!4twoは、200円券面（10円券20枚）の車券なので
当選組番Bの払戻金額は、 1口＝25,183円×20枚＝503,660円となります。

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